地質調査
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調査ボーリング
機械ボーリング
ロータリー式オイルフィード型試錐機を用いて掘削を行い、1.0mごとに標準貫入試験を実施しました。
掘進は地下水位を確認するまで原則として無水掘りで行い、地下水位を確認後、孔内の崩壊防止のためにケーシングを設置しました。
さらに泥水を循環させ、孔壁保護とスライム除去を入念に行いました。
ボーリングの終了深度は、計画深度以前に調査目的を満足すると考えられる地質状況が確認された場合は、発注者と協議した上で終了しました。
また、計画深度まで掘進しても満足すると考えられる地層が確認されない場合は、発注者に地層状況を説明し、協議した上で終了深度を決定しました。
標準貫入試験
標準貫入試験は、原位置における土の硬軟、締まり具合の相対値を知るためのN値を求めるために行います。
試験は、JIS-A-1219に準拠し行いました。
以下に、主な試験手順を示します。
- 所定の深度までボーリング孔を掘削し、孔底のスライム除去を行います。この時に孔底下の地盤を乱さないように十分に注意します。
- 標準貫入試験用サンプラーをロッドに接続し、静かに孔底に降ろします。
- ロッド上部に、ノッキングブロックおよびガイド用のロッドをつけます。
- ドライブハンマーの打撃によって15cmの予備打ち、30cmの本打ちを行います。
- 本打ちのドライブハンマー落下高は、76cm±1cmとし、ドライブハンマーは鎖の部分を除いた重量が63.5kg±0.5kgの鋼製ハンマーを用い、自由落下させます。
- 本打ちにおいては、打撃1回ごとの累計貫入量を測定します。ただし、1回の貫入量が2cm未満の場合は、貫入量10cmの打撃数を記録します。また、打撃数は50回を限度とし、その時の累計貫入量を測定します。
- 貫入試験終了後、地表にサンプラーをあげ、シューおよびコネクターヘッドを取り外し、スプリットバーレルをふたつ割りにして、採取試料の観察を行います。
- 代表的な試料を透明な容器に密封し所定の記載を行います。
現場透水試験
現場透水試験は、ボーリング孔を利用した試験方法のひとつで、地盤の透水性を把握することを目的とし、この試験から透水係数kが求められます。
試験方法には、定常法と非定常法のふたつがあり、地盤の透水性によって使い分けられます。定常法は、揚水または注水して、測定用パイプ内の水位が一定になった時の流量を測定して、地盤の透水係数を求める方法です。また、非定常法は、測定用パイプ内の水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻る時の水位変化を経時的に測定して、地盤の透水係数を求める方法です。
孔内水平載荷試験
孔内水平載荷試験は、ボーリング孔を利用した試験方法のひとつで、ボーリング孔壁を加圧することによって、地盤の変形係数、降伏圧力および極限圧力を求めることを目的としたものです。(試験の概念図)
測定方法は、ゾンデと呼ばれるゴムチューブからなる測定管を試験深度の中心にセットし、ゾンデの加圧媒体である水を窒素ガスにより加圧注入させ、膨張させるものです。
この時の加圧量は圧力計で、変形量はスタンドパイプの読みによって測定します。載荷は時間-荷重制御法により行い、加圧ステップは土質に応じて定めます。
シンウォールサンプリング(乱れの少ない試料採取)
乱れの少ない試料採取は、構造物の設計や各種の検討に必要な力学的定数を求めるために行われるもので、採取した試料は室内試験に供されます。
シンウォールサンプリングは、軟らかい粘性土や細粒分を含む緩い砂質土地盤にサンプリングチューブを静的に押し込み、できるだけ原位置に近い状態で試料を採取する方法です。
適用できる硬さや締まり具合の目安は、粘性土でN値0~4程度、砂質土でN値0~8程度とされています(採取した試料の例)。サンプラーの種類には、エキステンションロッド式と水圧式の2種類があります。
この他、多種の土質およびN値に対応して乱れの少ない試料を採取する方法として、二重管、三重管サンプラーを使用する方法、地盤を凍結させて採取する凍結サンプリング、手掘りにより直接試料を切り出すブロックサンプリングといった方法もあります。
電気探査
電気探査は、地下水調査、温泉調査などの資源開発分野、構造物基礎調査などの土木分野、地すべり、斜面崩壊、地下水汚染などの防災・環境分野などに幅広く利用されています。
表面波探査
表面波探査は、地下構造の速度の不連続点を抽出し、異常箇所を検出する空洞調査、埋設物調査などに用いられます。表面波探査はレイリー波探査とも言われ、人工的に発生させたレイリー波の位相を観測し、地中のレイリー波速度構造を求め、S波速度構造を推定する方法です。
スウェーデン式サウンディング試験
スウェーデン式サウンディング試験(JIS A 1221)は、荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験で、土の静的貫入抵抗を測定し、地盤の硬軟や締まり具合を判定するとともに、地層構成を把握することを目的としています。最近では、戸建住宅などの小規模構造物の支持力特性を把握する地盤調査方法として多く用いられています。
スクリューポイントと呼ばれる先端にロッドを繋ぎ、おもりを5kg、15kg、25kg、50kg、75kg、100kgの順に段階的に増加させ、その都度貫入状況を記録します。100kgの静荷重で貫入しない場合は、ハンドルを一方向に半回転ずつ回転させ、ある深さ(25cmを原則)貫入させるに要する半回転数を連続的に測定します。
適応土質はN値15以下の礫・玉石を除く土であり、試験の有効深度は約7m程度。単管式ロッドであるため、測定値には周囲摩擦の影響は避けられないので注意を要します。
簡易貫入試験
簡易貫入試験は、一般的に急斜面内において、地盤中の強度・密度などの相対的な変化を連続的に知り、表層崩壊をする可能性のある土層の強度とその深度を正確に把握することを目的とした試験です。
据付け・撤去・移動が容易であり、急斜面上、かつ狭い区域での作業が可能であるが、探査限界深度はせいぜい4~5m程度です。礫・転石などを多く含む土層あるいは崩積土層などでは、礫などの影響で試験結果が大きく測定される場合があるので、注意が必要です。
平板載荷試験
平板載荷試験は、一般的に建築基礎設計数値を求めるために地盤の降伏あるいは極限耐力を求める試験と、道路の路盤厚、舗装厚、使用材料などを求めるために路床あるいは路盤の地盤反力係数(K値)を求める試験とに大別されます。
直径30cmの鉄板に荷重をかけ、その時の時間経過による沈下量を測定し、荷重・時間・変位(沈下量)の関係から地耐力を求めます。
地表地質踏査
現地にて直接、道路・河床・沢沿いの露頭や地形など観察し、地層分布や地質構造さらに地山の安定性、地表水・地下水の状況などの広範な地質に関する諸情報を明らかにする調査です。地表地質踏査の結果は、得られた諸情報を地形図上に表現した地質平面図と断面上に表現した地質断面図として集約されます。